とことん、「一点だけ」で突き抜ける 単行本(ソフトカバー) – 2021/12/23 所 浩史 (著)

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■タイトル・著者:とことん、「一点だけ」で突き抜ける 単行本(ソフトカバー) – 2021/12/23
所 浩史 (著)
■感想

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結論(先に要点)

迷ったら“全部やる”ではなく、“一点だけ”に資源を集中せよ——。本書は、著者自身の「一点突破」の実践から導いた思考と行動の型を、ビジネスでも個人のキャリアでも使えるよう噛み砕いて教えてくれます。ポイントは
①選ぶ(やらないを決める)②磨く(強みを尖らせる)③見せる(伝え方を一点化)④守る(継続の仕組み化)
“あれもこれも”を捨てる勇気が、最短距離をつくる。読み終えるころには、やることリストより“やめることリスト”が先に書けるようになります。


こんな人に刺さる

  • 仕事で“なんでも屋”になってしまい、評価が埋もれがち

  • 事業・サービスのポジショニングがぼやけている

  • SNSや広報のメッセージが毎回変わり、刺さらない

  • 忙しいのに成果が伸びない、“薄く広く”の疲れがある


本書のキモ:“一点だけ”の4ステップ

本書の核心は、フォーカス→差別化→物語化→継続の流れを、地に足のついた例とチェックリストで回すこと。要点を要約します。

1) 選ぶ:やらないと決める勇気

  • 「選ぶ=失う」ではなく、「選ぶ=深く届く」。

  • “一点”は自分の喜び×相手の価値×勝てる条件の重なりで決める。

  • まず**市場(誰に)を一点化し、次に価値(何を)**を一点化。順番を逆にしない。

2) 磨く:特徴を“誇張”して尖らせる

  • 平均点を上げるより、一点の突出を作る。

  • 「最速」「最小」「最深」「最安」「最高」など形容詞の一点を選び、ブレずに積み上げる。

  • 改良ではなく削ぎ落としで個性を露出させる。

3) 見せる:メッセージを一点化

  • キャッチコピーは一息で言える長さに。

  • 伝え方は「事実」より比喩と具体(“えぐれるほど濃い一皿”のように、質感が伝わる言葉)。

  • 発信チャネルも広げすぎない。勝ち筋の1〜2本に集中。

4) 守る:継続の仕組み

  • “一点”は飽きとマンネリとの戦い。型化→習慣化→外部化で守る。

  • 伸び悩み時は原点チェック(誰に/何を/どう独自か)に立ち返る。

  • 周囲からの“横やり”への対処法:目的>手段をチームで共有し、判断基準を一本化。


仕事で使うとこう変わる(ビフォー→アフター)

  • 商品企画:広く刺さる“便利な機能てんこ盛り” → 特定の困りごとを解決する一点特化

  • 営業トーク:“いろいろできます” → 「この1点なら国内随一」

  • 採用広報:良いところ全部見せ → “ここだけは譲らない文化”を前面に

  • 個人ブランディング:毎回テーマが変わる発信 → 1テーマの深掘り連載で信頼を積み上げ


明日から動ける:14日“一点突破”プラン

Day1:棚卸し
好き/得意/評価されたこと/成果の出た過去案件をポストイット化。
Day2:価値仮説
「誰の、どの瞬間に、一番役立てるか」を1文で。
Day3:捨てるリスト
今の仕事・施策からやらない10個を決める。
Day4:差別化ワード
「最◯」「唯一の◯」「◯特化」を3案。
Day5:プロトタイプ
“一点”に全振りした最小プロトを作る(LP、メニュー、試作品)。
Day6:3人ユーザーテスト
理想顧客3名に見せ、一言で何と伝わったかを記録。
Day7:コピー修正
テスト結果をもとに一息コピーへ。
Day8:チャネル一点化
発信先を1〜2本に絞り、頻度と型を決める。
Day9:価格再設計
“一点の価値”に合わせ、安売りNG・値付け明確化
Day10:証拠作り
ビフォー→アフターの定量事例を一つ作る。
Day11:仕組み化
週次ルーティン(改善・発信・顧客対話)をカレンダー化。
Day12:NOと言う練習
“一点”に合わない依頼への定型返信文を作る。
Day13:再テスト
理想顧客の“刺さり度”を再確認。ズレは誰×何で修正。
Day14:ローンチ
小さく公開→学習サイクルに乗せる。


具体フレーム3つ(テンプレ付き)

A. “誰×何×唯一”フレーム

  • 誰に(ペルソナ1行)

  • 何を(一点価値1行)

  • 唯一の理由(比較級/実績/設計思想)

例:「BtoBの新規商談を増やしたいSaaSスタートアップに、“15分で意思決定できる”一枚提案を提供。元プロダクトマネージャーが導入後30日の定量成果まで伴走するから、会議が動き出す。」

B. “削るための3問”

  1. それは“一点”に関係ある?

  2. その機能は“伝わり”を悪くしない?

  3. “誰に”が変わらないままでも必要?
    → 1つでもNOなら削減候補。

C. “一点コピー”の型(5パターン)

  • 最◯を名乗る:「◯◯最短◯日」

  • 唯一性:「◯◯だけに特化」

  • 痛み直撃:「◯◯で消耗する時間をゼロに」

  • 使用情景:「朝の◯分で◯◯が片づく」

  • 比較:「従来の1/◯の手間で◯◯」


よくある誤解と落とし穴(回避策つき)

  • 誤解1:一点=狭い
     → 狭さではなく深さ。深さが“口コミ・指名・価格耐性”を生む。

  • 誤解2:一点に飽きる
     → テーマは固定、表現は変える(フォーマットや連載企画で変化を出す)。

  • 誤解3:他案件を断ると損
     → 目先の売上より評判資産。一点の方が長期のLTVが高くなる。

  • 落とし穴:拡張のタイミングを誤る
     → 目安は口コミ比率/指名率/値下げ圧力の低下。この3つが揃ったら“隣接領域”へ。


読み方ガイド(忙しい人向け)

  • まずは**第1〜2章(選ぶ・削る)**を流し読み → すぐに“やらない10個”を作る

  • 次に差別化と言語化の章でコピー案を3本作る

  • 仕上げに継続の仕組みの章だけ熟読して、週次の運用表に落とす
    “全部読んでから動く”より、読みながら削って試すのが正解です。


まとめ(3行)

  • 成果が出ないときは“努力不足”ではなく、一点不足

  • 選ぶ→磨く→見せる→守るを回せば、少資源でも戦える。

  • “やめる勇気”が、最短距離と強いブランドをつくる。

 

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