リーダーとしてのあり方(講話CD付き) 単行本 – 2021/2/10 稲盛和夫 (著)

哲学
■タイトル・著者:リーダーとしてのあり方(講話CD付き) 単行本 – 2021/2/10
稲盛和夫 (著)
■感想

【書評】『リーダーとしてのあり方』稲盛和夫──サラリーマンが学ぶべき「本物のリーダー像」

仕事でリーダーを任されたが、どう振る舞えばいいのか分からない。
部下をまとめるのが難しく、結果を出せずに悩んでいる。
リーダーとして成長し、会社やチームに貢献したい。

そんな悩みを抱える30〜50代のビジネスパーソンにおすすめしたいのが、稲盛和夫氏の著書『リーダーとしてのあり方』です。本書は、京セラやKDDIを創業し、経営破綻したJAL(日本航空)の再生を成功させた稲盛氏が、リーダーの本質について語った一冊。リーダーとしての「哲学」「考え方」「行動指針」を学べる内容になっています。

本記事では、本書の要点を紹介しながら、サラリーマンが実践できるリーダーシップのヒントを解説していきます。


目次

  1. なぜ「リーダーのあり方」が重要なのか
  2. リーダーに求められる「人格」とは
  3. 部下を導くための「利他の精神」
  4. 強い組織を作る「心の経営」
  5. 今日から実践できるリーダーシップのポイント
  6. まとめ:本物のリーダーを目指すために

1. なぜ「リーダーのあり方」が重要なのか

「リーダーとは何か?」
会社やチームでリーダーに任命されると、多くの人は「どうすれば結果を出せるか?」と考えます。しかし、本書ではまず「リーダーのあり方」が重要であると説かれています。

稲盛氏は、リーダーが「何をするか」以上に、「どんな人物であるか」が重要だと考えています。なぜなら、リーダーの考え方や姿勢が、組織全体の雰囲気や成果を大きく左右するからです。

たとえば、リーダーが自分の利益だけを考えていると、部下も私利私欲に走るようになり、組織はバラバラになります。反対に、リーダーが誠実で利他的な姿勢を持っていれば、部下もそれに共感し、組織は一体感を持って成長していくのです。

リーダーに求められるのは、「能力」よりも「あり方」。本書では、その「あり方」を具体的に学ぶことができます。


2. リーダーに求められる「人格」とは

稲盛氏は、リーダーにとって最も大切なのは 「人格」 であると述べています。では、リーダーとしての「人格」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

本書では、以下のような要素が挙げられています。

① 誠実であること

リーダーは、誠実でなければならない
自分に都合のいい判断をしたり、不誠実な行動をとったりすると、いずれ部下に見抜かれ、信頼を失います。短期的にはうまくいっても、長期的には必ず組織の崩壊につながります。

② 謙虚であること

リーダーになると、どうしても自分の実績や立場を誇示したくなります。しかし、稲盛氏は「リーダーは常に謙虚であるべき」と説いています。

たとえば、部下の意見を尊重せず、自分の考えだけを押し付けるリーダーは、組織の成長を阻害します。リーダーが謙虚でいることで、部下の力を最大限に引き出し、チーム全体の成長を促すことができるのです。

③ 公平であること

リーダーがえこひいきをすると、組織のモチベーションは下がります。
評価や判断をする際は、「好き嫌い」ではなく、「公正な基準」を持つことが重要です。


3. 部下を導くための「利他の精神」

稲盛氏の経営哲学の根幹には、「利他の心」があります。

リーダーの役割は「部下を導くこと」ですが、そのためには、自分の利益ではなく、「部下や会社のために何が最善か」を考えなければなりません。

例えば、部下がミスをしたときに、「自分の評価が下がる」と怒るのではなく、
**「どうすればこの経験を成長につなげられるか?」**と考えられるかが、真のリーダーの資質です。

リーダーが「利他の精神」を持てば、部下もまたその姿勢を学び、組織全体が良い方向へ進んでいくのです。


4. 強い組織を作る「心の経営」

稲盛氏は、「心の経営」という考え方を大切にしています。

会社経営においても、単に利益を追求するのではなく、「正しいことを正しく行う」 ことが何よりも重要であると説いています。

これは、サラリーマンのリーダーシップにも通じます。

「とにかく結果を出せ」とプレッシャーをかけるのではなく、
「正しい道を進めば、必ず成果はついてくる」 という信念を持ち、部下と向き合うことが大切です。


5. 今日から実践できるリーダーシップのポイント

本書から学べるリーダーシップのエッセンスを、すぐに実践できる形にまとめました。

  1. 自分の言動を振り返る(誠実・謙虚であるか?)
  2. 部下の話をしっかり聞く(一方的に指示しない)
  3. 評価や判断は公正に行う(好き嫌いを持ち込まない)
  4. 「自分のため」ではなく「組織のため」に考える
  5. 短期的な成果よりも、長期的な成長を意識する

6. まとめ:本物のリーダーを目指すために

稲盛和夫氏の『リーダーとしてのあり方』は、単なるビジネス書ではなく、「人としてどう生きるか」を深く考えさせられる一冊です。

リーダーとして成功するためには、「能力」ではなく「人格」が最も大切。
そのために、誠実・謙虚・公平・利他の精神を持つことが重要です。

「どうすれば部下を動かせるか?」ではなく、
自分はどんなリーダーであるべきか?」を問い直すことが、真のリーダーへの第一歩となるでしょう。

リーダーとして成長したいと考える方は、ぜひ本書を読んでみてください!

 

コメント