『帰ってきた生協の白石さん』|あの“伝説の回答”が再び!ユーモアと優しさに包まれる日常エッセイ
1. はじめに
「大学生協に現れた、伝説の回答者を覚えていますか?」
2005年に出版され、一躍ベストセラーとなった『生協の白石さん』。東京農工大学の大学生協で、学生からの投書に真面目に、時にユーモラスに、そして温かく答え続けた一人の職員が話題となりました。
あれから18年──
**『帰ってきた生協の白石さん』**は、その白石昌則さんが再び帰ってきて、令和の学生たちと織りなす新たなやり取りを記録した続編エッセイです。
本記事では、この書籍の魅力を「癒し」「知性」「笑い」の3つの軸から解説。現代を生きるすべての人にとって、ちょっと疲れた心をそっと和ませてくれる一冊です。記事の最後には購入リンクも掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。
2. 本書の概要
書籍情報
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タイトル:帰ってきた生協の白石さん
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著者:白石 昌則
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出版社:講談社
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発売日:2023年4月7日
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仕様:単行本(ソフトカバー)、240ページ
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価格:1,540円(税込)
前作『生協の白石さん』は、学生が大学生協に設置された「ひとことカード」に投稿した、質問・要望・冗談などに対して、職員である白石さんが真面目に、でもユーモアたっぷりに返答するという実話エッセイ。
本書『帰ってきた生協の白石さん』は、その現代版。SNSやネット文化が主流の令和時代においても、紙のカードに手書きでつづられた“声”に向き合う白石さんの姿勢が、多くの人の共感と癒しを呼んでいます。
3. 『帰ってきた生協の白石さん』の注目ポイント3選
ポイント①:真面目にふざける、最高のコミュニケーション
「ラーメンを出してほしい」
「一人暮らしが寂しいです」
「運命の人はどこにいますか?」
一見ふざけているような投書や、どう答えてよいかわからないような哲学的質問にも、白石さんは真正面から、言葉を選びながら丁寧に返します。
たとえば、「人生に意味はありますか?」という投書に対しては、
「私にも分かりませんが、皆さんと同じように迷いながら日々を過ごしています」
というような、嘘のない、でも温かい言葉を届けます。
この「ふざけに真剣で返す」姿勢こそが、白石さんが多くの読者に愛される理由。SNS的な“炎上”や“揚げ足取り”とは真逆の、信頼に基づくコミュニケーションの理想形がここにあります。
ポイント②:言葉の力と、知性ある優しさ
白石さんの回答は、単なるユーモアでは終わりません。そこには、人生経験・教養・そして人への敬意が詰まっています。
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学生の孤独に寄り添う返答
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社会問題への真摯なコメント
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小さなリクエストに対する具体的な対応策
彼は「言葉の持つ力」を知っていて、それを“誰かを否定するため”ではなく、“誰かの心を少し明るくするため”に使っています。
たとえば、「就活が怖い」という投書には、
「怖いと感じるということは、ちゃんと自分の将来を考えている証拠。まずはその事実を褒めてあげてください」
というような、読後にじんわり温かくなるようなメッセージを添えてくれます。
読者は、笑いながら、知らぬ間に心がほぐれているのです。
ポイント③:現代の大学生のリアルが見える
今作では、2000年代とは違う“令和の学生たち”の声が収録されています。
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コロナ禍での孤立
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SNS疲れ
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非正規雇用の不安
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気候変動や戦争への漠然とした不安
彼らの言葉は軽やかでありながら、時に鋭く、時に悲鳴のようにも聞こえます。白石さんはその一つひとつに、個人として誠実に、組織の人間として誠実に答えていきます。
この本を読むことで、現代の若者たちがどんなことを感じ、何に悩み、何に希望を持っているのかが垣間見えるのも、大きな魅力です。
4. 実生活にどう活かせる?
『帰ってきた生協の白石さん』は、ただの「面白いやりとり集」ではありません。読者の日常にも役立つエッセンスが詰まっています。
● コミュニケーションのヒント
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相手を傷つけずに、ユーモアを交えた返答をするコツ
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短い言葉に想いを込める大切さ
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批判より、共感をベースにした対応の有効性
● 心を整えるヒント
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笑えることでストレスが軽減される
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「みんな悩んでるんだ」と思える安心感
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完璧じゃなくていい、という気持ちになれる
● 教育・子育て・職場にも応用可能
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子どもとの会話や部下との対応にヒントが得られる
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教師・保育士・上司など、“誰かを支える立場”の人にとって非常に学びがある
白石さんの姿勢は、**「聞く力」「答える力」そして「思いやる力」**を教えてくれます。
5. こんな人におすすめ!
『帰ってきた生協の白石さん』は、こんな方におすすめです。
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心がちょっと疲れている人
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人とのコミュニケーションに悩んでいる人
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言葉のセンスを磨きたい人
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教育や福祉など、人を支える立場にある人
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前作『生協の白石さん』のファンだった人
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ほっとできる読み物を探している人
1話1話が短く、通勤・通学の合間に少しずつ読めるので、忙しい人にもピッタリの一冊です。
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